2016/06/20

SPARK

SPARK    5.13b / R
梅雨の晴れ間の最高のコンディションの中、瑞牆十一面正面壁のトラッドプロジェクト登れました。
ルート名は、”SPARK”  5.13b /R  (30m)  run out 6-7m
ランナウト部の核心がマイクロカチを持ちながらのデッドムーブ主体の非常にボルダリーなルートです。

壁は十一面正面壁/白くまのコルから少し下ったところにあります。
十一面正面壁にあってフリールートとして手をつけられていなかったのが不思議なくらいですが、それもそのはず、壁の前に立って見て初めてクラックが認識できるというブラインドっぷり。
モアイフェースと山河微笑あたりからなんとか上部が見える感じでしょうか。
自身もモアイフェースにぶら下がっていた頃から目を付けてはいたのですが、中々トライする踏ん切りがつかずでした。
アクセスは白くまのコルへのアプローチ道を登っていく途中、左に逸れて小さなコルを跨いで下っていくとあります。

ルートの内容ですが前半が5.10-ほどのクラックで、その後クラックが閉じたら右のカンテを登ります。
このカンテが核心で、ムーブ的には2段ほどのボルダームーブ。
メリハリのはっきりした構成のシングルピッチルートです。
ちなみに過去に打たれた錆びかけたリングボルトラダーが2本だけありますが、残置はオブジェの精神で使いません。というかそもそもラインから外れた場所にあるので使うと不自然。
カンテを直登していくと岩頭に立てるので最後は立木にスリングをかけて終了点に。
オールノンボルトの爽快なルートです。
プロテクションセットも難しくはないので是非ボルダラーにもやってみてほしい一本です。

そしてこの手のルートは正直グレーディングがさっぱりなんですが、とりあえず瑞牆のシングルピッチルート(Freedom 5.13a、LOL5.13a、UFO catcher5.13c など)と比較してグレードは提唱しました。
ちなみに初登スタイルは掃除・ムーブ出しはフィックスロープで行い、一度だけトップロープトライ(もちろん未登のまま)して、リードトライを行っています。
核心手前で大レストできるので、もはやボルダーグレードの方がわかりやすいかもですが...
いずれにせよ、脳内スパーク連続の恐ろしいルートでした。刺激が欲しい方は是非。


その後はパートナーの目的、小ヤスリへ。

と、そこでちょっと遊んでみました。
最も有名なクライミング写真の一つをもじった、「Alone on the Mizugaki」です。
ちょっと腰が引けてますが笑



去年からのトラッド慣れでカチコチムーブに身体が馴染んでしまったので、これから梅雨が明けるまでのしばらくはボルダートレーニングと次のPの掃除に明け暮れようと思います。

2016/05/18

ボールドクライム in イクストランの旅

先週はO西さんとイクストランの旅(5.13a/8ピッチ)
実はGW後半の初日にトライしていたのですがレスト中に風に煽られて落ちてしまうほどの暴風というあまりの悪状況により敗退していたのです。

途中、フリーウェイに合流してしまったのでオリジナルラインとは4、5P目分が逸れてしまっていますが核心ピッチは辿っているしリード&フォロー完登の完全なスタイルで登れているのでまあ自己消化です。

ただ実は今回、カムを忘れてしまい図らずもボールドスタイルに…
写真が全てを物語ってくれているので説明は省きますがギアのありがたみを真に感じた週末でした。
5.10cといえどプロテクションの無い状況で先の見えないクラックに突っ込んでいくのは肝が冷えます。
こういうクライミングをするとクライミングのグレードって、特にボルダーとトラッドはやっぱりスタイルによって感じ方が全然違ってくるなぁと思うのでした。

何にせよアドベンチャラスな週末でした。


あまりの滑りっぷりにすごい形相に...
悪名高い3P目は意地のオンサイト

4P目。ビッグナッツセット中
(フォロー時にビッグナッツは取り除いています)


現地調達のナチュラルビッグナッツ



2016/05/09

継続

GWはひたすら瑞牆の山の中を駆けずり回ってました。
マルチピッチ、段課題縛りのボルダーサーキット、Rプロジェクトの掃除、瑞牆山頂トレラン、 etc...
そして5日間休みなく山の中を駆けずり回った後の最終日6日目は太陽の登(5.12c)からのUFOキャッチャー(5.13c)の継続登攀。
レスト明けのフレッシュな時にトライすればスマートにレッドポイントできるのだろうけど、今必要なのは疲労した状態でもキッチリとこなす泥臭い精神力と体力。
指皮ボロボロ、足ガクガクだけど、とりあえず最終日にしてその目的は達成できたので締まりある連休となりました。
ちなみに身体的に一番キツイのは岩掃除の日という

新しい課題も見つかったのでこの夏も楽しみです。


new "R" project
全長30メートルほどのラインですが写真に見えるクラックはラインの真ん中で途切れ、その後はブランクセクション。
かかってこいよ、と言わんばかりの潔いブランクっぷり。
ラインから逸れた場所に過去のエイドラインで打たれたようなリングボルトがありますが、残置はオブジェの精神でこれはトラッドルートとして完成させるしかないでしょう。


2016/04/26

瑠璃色の日々

2016423
千日の瑠璃 5.14aR/Xのワンデイ・ワンプッシュに成功しました。
チーム完登になりますが怪我も無く、ついにマルチピッチルートとして完成させることができました。

   "この手のクライミングはケジメが一番大切。
     ルートの開拓とルートの完登は別物だと思っています。
     個と公の違いとでも言いましょうか。"

これはある先輩クライマーから頂いた言葉ですが、自分にとってこのルートのケジメは何なのか。
各ピッチレッドポイントで終わるなら、このルートがマルチピッチルートとして在る意義はどこにあるのか。
昨年、各ピッチレッドポイントを終え、ぼんやりと構想にあったワンデイ・ワンプッシュでの完登。
7ピッチ全てを地上から順番に一日でレッドポイントしていくというこのスタイル。
既に成果的には開拓初登したのだから十分だったし、本当ならばもう二度とあんな危険なクライミングはしたくなかった。
このまま何事もなく、次のクライミングに行きたい気持ちだった。
それでも何か心にモヤモヤが残ったままで、答えの見つからない禅問答のような気持ちを抱き続けた半年間だった。

でももうこのルートに思い残すことは無くなりました。
チームレッドポイントというスタイルは個人の成果という観点からすれば足らないかもしれません。
でもそのスタイルで終えれたのも自分にとっては意義あるものでした。
ワンプッシュの厳しさ、パートナーと組むことで得られる喜び、自分の弱さ、、
モアイフェースからは本当に多くのことを学ばせてもらいました。
十一面岩正面壁のピークに立った時、感動よりも安堵感とやっと次に向かえるという気持ちになれたことが何よりの答えでした。

ソロでのワンプッシュは次世代への課題として残そうと思います。
もし何かの折に気が向くかもしれませんが現時点では心はこのルートから離れてしまいました。
ワンプッシュを終えた夜、1人静かに過ごしたツバメ返しのハングでの夜は、とても心落ち着いたものでした。

10年間。クライミングを続けてきて本当に良かった。
これから先の10年間。どうなっていくのか。
楽しみです。


1P目、ハング越えの核心を抜けて。
右面、ビチャビチャです...

2P目、大ランジ手前の大レスト。
ここにも微妙に染み出しが...
3P目、第一核心。
3P目、第二核心のデッドランジ。
ここで落ちるとかなりやばいです。
4P目、20mランナウトの途中。大面岩からたまたま知り合いが撮ってくれました。
ロープが屈曲している二箇所のポイントがプロテクションですがこの後は頂点までノープロです。
十一面岩正面壁ピークにて

1P 5.12 R 佐藤
2P 5.13c R 佐藤
3P 5.14a R 倉上
4P 5.13d R/X 倉上
5P 佐藤 
6P 倉上
7P 倉上

最後に、32日間にも及ぶ黒部横断から帰ってきて短期間のうちに極限の状態で今回の成功を導いてくれた佐藤さん、プライベートにも関わらず足繁く映像として今回の登攀を残してくれた萩原さん。
お二人には本当に大感謝です。

2016/04/19

MOQ GURA

命は等しくみな尊いもの、という思いを乗せて飛騨の友人の活動をシェアします。
とても悲しい出来事が続いているけど、今自分にできることを全うできればと思います。

以下、MOQ GURAさんの記事からの抜粋です。


同じ想いの方がたくさん居ることを知り、引き続きMOQGURAは熊本大地震の募金を続けます。
いつもは売り上げの1割を募金させていただいてましたが、今後は6/30まで2割募金させていただきます。
1割を日本赤十字社にもう1割を動物愛護団体に募金します。
募金の様子はこのインスタグラムにて報告します。
MOQに賛同いただいた方の想いを、1日も早く被災された方の元に送れるようMOQGURAをピッチをあげて心を込めて準備します!



MOQ GURA

2016/04/17

One day , one push

4ピッチ目取り付きより
昨年初登した千日の瑠璃(5.14a R/X,7ピッチ)を完全なマルチピッチルートとして完成させるべく瑞牆十一面正面壁、燕返しのハングに戻ってきました。
今回はワンデイワンプッシュでの完登を目指します。
昨日は夜の10時頃までその準備を。雪解けや雨の影響で1ピッチ目には滝ができてしまっていますが…
沢登りのエキスパートも一緒なのでなんとかなるでしょう。
身世怱忙の日々、それでもただ今はとにかく自分のできることにベストを尽くすのみです。
燕返しのハング
モアイフェースの先住者。たぶんムササビくん。
モアイの顔の穴倉の中に住んでいて、
初めて会った時はビックリ
して飛んでいっちゃったけど今回はぐっすり眠ってました。
また今年もお邪魔します。

2016/04/08

登り、走り、坐り


久々の更新はもっと早く読んでおきたかった本たちをご紹介。
普段、クライミング以外の本に関しては如何なる良書でも出会うことなくばそれもまたよし、と結構淡白なのですが、クライミング関連の本しか読まない自分にとってはとても新鮮な内容で興奮が抑えきれずでした。
ちなみにいずれもトレイルランニング関連の書籍です。

まずは名著と呼び名の高い”BORN TO RUN””EAT&RUN”
「ランナーになる気がない人までランナーに変えてしまう困った一冊」
これはあとがきにある一節なのですが、小学生の頃に学年のマラソン大会でブービー賞をとった実績のある自分でも走りたくなる衝動に駆られてしまいました。
この本のテーマの一つでもある「如何にして走るか」という点もどこかで聞いたようなフレーズ。
数年前にベストセラーになった本なので知っている方も多いと思うのですが、常識に囚われない登場人物たちの行動規範は刺激的でクライミングにも活かせそうな、世界観が広くなる良書でした。

トレイルランニングというとどうしてもレース的、競技的な先入観があったのですが、そんな殻を破り去るには十分過ぎるほどの熱の籠った写真のオンパレード。
サードマンの存在を示唆するような記述がある点も印象的で、禅の側面、そして情緒的な背景に一気に引き込まれました。
本当に3000円は全然惜しく無い一冊でありました。

まだまだ鈴木大拙先生の説く無心の実感を得るに足りない自分にとって、ジャンルは違えど、そんな側面が垣間見える景色はとても羨ましく映りました。
全ては体得ありき、知得に留まってはいけないのだなと改めさせられました。


あと「EAT&RUN」の中で紹介されているビーガンというスタイル。
実はここ3週間ほど、その食スタイルを実践しているのですがこれがなかなか調子良いのです。
そのまず一歩を踏み出すきっかけになったMOQ GURA
飛騨の友人が作っているグラノーラで、知る人ぞ知る、っていう感じですが優しい味のするグラノーラです。
飛騨神岡の869でも購入できるそうなのでご興味ある方は是非。

MOQ GURA