2015/12/29

30

年が明けてしまう前に、、
先日30歳になりました。
10年前に比べれば少しは成長したかなぁと思いたいところですが、相変わらずのクライミング中心の生活は加速しているように思います。
また来年もドロップアウトしない範囲で地道に限界を責め続けたいと思います。

歳を重ねるごとに、この限界を押し上げるということに関しても色々な変化がありました。
20代前半の頃は平行線沿いのことをやり続けても全く無意味だと言い放って少し尖って生きていましたが、ここ最近は地味にでもコツコツと続けていれば、通ってきた道を省みた時にほんの僅かでも傾きを帯びた線になっているのかもしれないなぁと思えるようになりました。

そんなこんなで仕事納めの後は相変わらず山奥に籠ってます。
そんな山奥で二人の大先輩クライマーにお会いし、長年トライし続けているというDay dreamラインを触らせてもらったり、エリアを案内して宿を貸して頂いたりと充実した年末を過ごしてます。
アルパインクライマーの方達との出会いもこの場所だったし、なんだかご縁がある土地なのかもしれません。

とりあえず10年後には描いた線が下降線だったとならないよう精進していこうと思います。
また来年もよろしくお願い致します。

2015/12/17

課題に付随する存在


つい先日、ゲートが閉まるまでの残りわずかの週末に瑞牆ボルダーの十六夜(初段)の左手にある十五夜(二段)を登りに行った日のことである。

道路沿いの駐車場からアプローチし目的の岩を目指していた時、ふと以前登った水蛭子(三段)という課題の横を通り過ぎようとした時にある違和感に気付いた。

居ないのだ。

その課題において、登攀の困難さと登攀そのものをより深いものにし、課題を克服した時にはより一層の充足感を与えてくれたその存在が。
あまりの衝撃に怒りを通り越し、おそらく一生理解しあえないであろう者達がここ瑞牆にも訪れ、そして課題を破壊して貶めているという事実に大きな失望を覚え、落胆した。
写真はその存在がまだそこに居た2014年5月の写真である。
目を疑い、周りを見渡すと、あまりに不自然な場所に赤裸々な姿を曝け、その存在は悲しげに横たわっていた。

なぜクライミングにおいて、その岩のラインであったり、ルートが"課題"と呼ばれるのか。
ここ最近騒動となっているチッピングの問題と、この下地を極端に変化させてしまうという問題の根底は同じ場所にあると私は思う。
それが何なのかこの場で深く語ったところで真意を伝えるには限界を感じるが、今までその内容に関して腑に落ちなかった部分の残っていた室井氏が過去にロクスノで投げかけた「下地に問われるもの」という記事の真意が、自分の身に起きてようやく解せたような気がした。

「クライミングとは生活技術も含め、山頂まで到る行為の全てで、決して地面から終了点まで到ることではない。だからこそ、山頂に到るためのスタイルや倫理へのこだわりは、クライミングの本質に関わる問題である」
これはある尊敬するクライマーの言葉を拝借したものだが、自戒も込めてここに残そうと思う。

2015/12/11

物差し

今季発売されたROCK&SNOW 70号に、今秋瑞牆で初登した千日の瑠璃の特集記事を組んで頂きました。
開拓を通じて感じ気付けたクライミングを、拙い文章ながら形にさせてもらい、また今回の開拓にあたって色々とご教示頂いた諸先輩クライマーの方達にも筆を執って頂きました。
字数制限の関係で開拓記は全文掲載はできなかったのですが、いつまでも過去のことに身を置いていても仕方ないのでこのままお蔵入りしようと思います。
でも他にも読みどころ満載なので是非手に取って頂けると嬉しいです。

個人的には特にソロクライマーの系譜という記事中のALEX Honnold氏のこの一節がとても印象的でした。
「1日で両ルートを登ったという事実は、僕の中ではさして重要ではなかった。重要だったのは、とにかくそれをやろうと思ったこと、そしてそれに成功したことが自信となって、もっと大きなフリーソロへと思いが向かい始めたことだった。」

クライミング能力を押し上げる時に最も大切なこととは何だろう、ということを最近よく考えます。
ボルダーやルートにしても自分が今までしてきたクライミングは果たして限界を押し上げた結果だったのか、それとも単にその時登れる課題を登れるように登ってきただけなのか。
限界を押し上げる時、登攀能力はもちろんだけど、それ以上にその課題を取り付くという覚悟を持つことの方が難しくて、登攀能力は対象の課題を決定する時の物差しに過ぎないのではないか。
でもその物差しのスケールを見誤ると取り返しのつかないことになるのかもしれない。
自信と過信の境界がわからなくなってきて、客観性を失っていないか不安になります。


成功体験が強烈に頭に残っていると、次からは失敗する。
自信を得るもっとも容易な方法は、過去にしがみついて新たなる挑戦をやめることだ。


ある冒険家の方の言葉が脳内を巡っています。
次なる構想はたくさんあるのだけれど、自分の物差しが見極めきれない。
取り返しがつかなくなるのも、死んだ様に生きているのも自分にとっては同義。
悩んでる時間も嫌いではないんだけど、でも、進まなければ。